十勝に月1くらいで通うようになって、もう2年以上になる。
土曜の朝、帯広の生鮮市場。こういう場所に行くと、勝手にあるイメージを持ってしまう。 常連のおじさん、おばさんが中心で、朝の空気の中で手早く買い物をしていく。
そんな光景をなんとなく想像していた。

実際、そういう雰囲気はたしかにある。 早い時間から動いている人たちの空気があって、いかにも地元の生活圏という感じがする。
観光客がぶらっと来る市場というより、土曜の買い物の流れの中に自然に組み込まれている場所だった。
ただ、実際に見ていて少し意外だったのは、そこで働いている人たちの年齢の幅だった。
もっと年配の人が中心なのかと思っていたのだが、朝から20代くらいの若い人も普通に働いていた。
しかも1人だけぽつんといる感じではなく、30代、40代くらいに見える人たちもいて、売り場の中にちゃんと世代のグラデーションがあった。
地方の市場というと、勝手に「年齢層が高そう」という先入観を持ってしまいがちだ。 少子高齢化とか、人手不足とか、そういう言葉もすぐ頭に浮かぶ。
でも、この朝の市場を見ていると、少なくとも目の前の風景は少し違っていた。 若い人がいて、中堅っぽい世代がいて、年配の人もいる。
年齢がきれいに分かれているというより、自然に混ざっている感じだった。もちろん、1回見ただけで何か大きなことは言えない。
この市場全体がどうなのか、十勝全体でどうなのかなんて、それだけでは分からない。でも、「思っていたよりちゃんと層があるな」と感じたのは事実だった。
地方の現場は、外から勝手に想像しているより、もう少し複雑で、もう少し普通に次の世代がいるのかもしれない。
この日は目当てのウニはなかった。

それは少し残念だったが、代わりに別のものを見た気がした。
生鮮市場というと、つい並んでいる魚や肉や値段のほうに目が行く。
でも、そこで誰が働いていて、どんな年齢の人たちがその場を回しているのかを見ると、その町の別の輪郭が見えてくる。
土曜朝の市場にあったのは、商品だけではなかった。
その場所を動かしている人たちの世代の重なりも、十勝の生活の一部なんだと思った。

