なりさん2025年11月、17回目の帯広へ。新千歳の冷たい空気、ウトナイ湖の北寄玉、日勝峠の吹雪と境界線。移動だけで季節が切り替わる一日の記録。
2025年冬の北海道車中泊の旅(Part17)初日:2025/11/10
6時半、これから関空へ向かい、北海道への飛行機に乗る。10月に続いて、17回目の帯広だ。
離陸後、機内で窓の外を眺めながら、今回の旅のことを考える。前回の10月は、鹿追でチョウザメに出会い、スナック麗で地元の人たちと夜更けまで語り合った。今回はどんな出会いが待っているのだろう。
前回の旅の様子はこちら▼


12時半、新千歳空港に着陸。外に出ると、空気が冷たい。
「ああ、これや。この空気」
10月よりもさらにひんやりしている。季節が一つ、確実に進んでいる。
大川原パーキングの送迎車に乗り込む。駐車料金5320円。ほんま安いな。感謝。
13時20分に出発し、10分後には道の駅ウトナイ湖に到着する。
駐車場から建物に入ると、すぐに目に入ったのが「北寄玉」という文字。たこ焼きの形をしたホッキ貝だという。小ぶりのが8個で600円。


「たこ焼きの形で、中身はホッキ貝? なんやそれ、おもろいやん」
一口食べてみると、歯ごたえが独特で、噛むたびにホッキ貝の風味が広がる。たこ焼きのようでいて、全然違う。この「見た目と中身のギャップ」が、妙に北海道らしい。
店内を見て回ると、シマエナガの黒いTシャツが目に留まる。2800円。シマエナガは北海道の冬の使者のような鳥で、ふわふわの白い羽毛が愛らしい。迷わず購入。


道の駅のカウンターに座り、仕事モードに切り替える。フリーWi-Fiの速度を測ってみると、下り13.2Mbps、上り7.42Mbps。カウンターには電源もあり、作業環境としては申し分ない。
「助かるわあ、こういうの」
ECサイトの設定を変更し、歴史の実生活とボスブログで依田勉三の記事をアップ。道の駅で仕事が捗るというのは、なんとも不思議な感覚だが、これもノマドワークの醍醐味である。
1時間後、道の駅を出発。清潔で綺麗な、いい道の駅だった。1年半、何度も前を通っていたのに、初めて立ち寄った場所。こういう「初めて」が、旅には何度でも訪れる。
16時、すでに夕日が見えてきた。サイドミラーから見る夕日と、目の前のもみじの山が赤く燃えている。
「うわ、これ、めっちゃ綺麗やん……」
情緒的な景色に、思わず車を止めたくなるが、日勝峠が待っている。
吹雪だ。
真っ暗で視界が悪く、道路の白線がかろうじて見える程度。ハンドルを握る手に力が入る。
「日勝峠、やっぱりヤバいわ……」
前回、スナック麗で「日勝峠は素人が走ったらアカン」と地元の人に言われたことを思い出す。本当にその通りだ。
ところが、17時10分、峠の頂上を越えたら、吹雪がピタッと止んだ。雪も積もっていない。
「……なんやったんや、さっきの吹雪」
まるで峠の向こうとこちらで、世界が切り替わったかのようだ。
18時、帯広市内のダイイチに到着。居酒屋車中泊用の寿司と今回用の歯ブラシセットを購入。
20時40分、道の駅おとふけに到着。
さすがに月曜日のこの寒さということで、駐車場に停まっている車は少ない。静かだ。
Povoの24時間データ無制限を購入してYouTubeを楽しむ。今夜の装備は、薄手の肌着、ワッフル長Tシャツ、フリース、ライトダウン、寝袋、分厚い毛布。このときの気温は3度。結露防止で窓を1.5cmくらい2箇所開けているが、寝袋の中はポカポカで暖かい。
「この装備、完璧やな」
いつものように荷台に座って寿司を食べながら、今日一日を振り返る。
朝、関空を出発したときの空気。
新千歳に降り立ったときの冷たさ。
道の駅ウトナイ湖で食べたホッキ貝たこ焼きの歯ごたえ。
夕日に染まるもみじの山。
日勝峠の吹雪と、峠を越えた瞬間の静けさ。
「いやあ、移動するだけでも、ここまで密度濃いんやな」
外は静かだが、胸の内側では、今日の光景がまだざわざわと動いている。
こうして、帯広で迎えた北海道再上陸の夜、2025年11月10日は、更けていくのである。
ほな、また明日。

