十勝に月1ほどで通うようになっても、まだまだ知らないことだらけだ。
観光地とか、有名な店の話ではない。もっと生活の中にある、小さな違和感みたいなものだ。
帯広駅前の居酒屋「鴨川」で、ちょっと意味の分からないチケットを見つけた。
3000円のチケット購入で期間内何度でも飲み放題。最初は、よくある飲み放題の案内だと思った。
「3000円で90分飲み放題」そういうやつだろう、と。
でもよく見ると何かがおかしい。
有効期限:2026年1月5日〜3月31日
つまりこれ、1回ではない。期間中、何度でも飲み放題。しかも説明を見ると、90分飲み放題が何度でも。である。
さすがに意味が分からない。大阪なら、こういうのはだいたい・最初の1回だけ・平日限定・1日1回までみたいな条件がつく。
でもこのチケットは違う。期間中、何度でも。しかもさらに面白いのはここからだ。
このチケット、鴨川だけではない。裏を見ると、系列の
・郷土料理 鴨川
・十勝直火炙り たんじろう
・とかち晴ル
・炉端の一心
・宮など、
グループ6店舗で使える。
つまり帯広駅前で、居酒屋はしご前提のシステムが出来上がっている。
もちろん条件はある。フード2品注文。でも居酒屋に来たら普通に頼むので、実質的には飲み物の値段を気にしなくていい状態になる。
このチケットを見た瞬間、血が騒いだ。
そして、3日後に帰阪するのに購入した。
結果はどうなったか。
当然、店をはしごした。そして気づいた。
普段より金を落としている。
でも、なぜか損した気はしない。むしろ「なんか面白い文化に参加したな」という気分になる。
そして、この話にはもうひとつオチがある。
系列の店を回っているとき、ある看板が目に入った。
生ビール込み90分飲み放題390円
思わず二度見した。
税込でも429円。そのとき初めて気づいた。
あれ。普通の飲み放題でも、十分安い。
さっきまで「3000円のチケットすごいな」と思っていたのに、冷静に考えると、そもそもの世界線が安い。
そこで急に、計算が始まる。
3000 ÷ 429 ≒ 7
つまり8回以上行かないと損……?
いや、でも、はしごするから……。
あれ、計算が合わん。わからん。あれ?
つまりこの店、もともと飲み放題が安い上に、さらに大胆な企画をやっているということらしい。
十勝に来ると、時々こういう値段の感覚が少し狂う瞬間に出会う。
ジャングルカレーの価格もそうだし、スーパーの惣菜もそうだ。
そして帯広駅前の居酒屋には、3000円で期間中何度でも飲み放題という、なかなか大胆なチケットがある。
そして店をはしごして、普段より金を落としている。知らんけど、こういう文化はちょっと好きである。

