いけだワイン城で充填機に見入ってしまった話
池田ワイン城の見どころといえば、やはり熟成庫や試飲スペースなのだと思う。
実際、一般的な観光客なら、そこにいちばん心を動かされるはずである。
ワインが眠る空間の静けさや、飲み比べの楽しさは、この場所の大きな魅力である。
しかし、少し違うところで足が止まった。
工場見学のパートである。
そこに並んでいたのは、ワインを詰め、栓をし、整え、商品として仕上げていくための機械たちであった。
たぶん普通の観光なら、そこは「へえ、こういう設備があるのか」で通り過ぎる場所だと思う。
でも、妙に引っかかってしまった。
というのも、うちのクライアントに充填機メーカーがあるからである。
普段からそうした機械や技術に少し触れているせいか、ワインが瓶に詰められていく工程を見ると、ただの展示には見えなかった。
コルクダスト除去機。
トンネルシュリンカー。
パック充填機。
PPキャッパー。
コルク打栓機。
充填機。
真空ポンプ。
レイメイ瓶詰機。
リンサー。
ラベラー。
名前だけ並べても、なんだか工場の詩のようである。
ワインというと、つい飲み物としての華やかさに目が向く。
どんな香りか、どんな料理に合うか、どんな景色の中で飲むか。
観光地としてのワイン城も、基本的にはそういう楽しみ方をする場所である。
しかし、その裏側には、こうして液体を正確に扱い、品質をそろえ、商品として送り出すための機械が黙々と働いている。
洗う。
詰める。
栓をする。
整える。
貼る。
その一つひとつの工程が抜けることなくつながって、ようやく1本のワインになる。
そこがおもしろかった。
自分にとっては、単なる機械の並びではなかった。
品質へのこだわりや、繊細な技術や、目立たないけれど絶対に必要な仕事が、そこに凝縮されているように見えたのである。
観光で来ているのに、気がつけばワインそのものより、充填や瓶詰の工程の方に見入っている。
たぶん、かなり少数派の見学者である。
でも、こういう寄り道こそ旅の裏話としてはおもしろい。
みんなが熟成庫で「すごい」と言っている横で、自分は充填機を見て「おお」となっていた。
池田ワイン城には、ワインを味わう楽しさとは別に、ワインが製品になるまでの誠実な裏側があった。
そして自分は、その裏側の方に、妙に心をつかまれたのである。
コルクダスト除去機

トンネルシュリンカー

パック充填機

PPキャッパー

コルク打栓機・充填機

真空ポンプ

レイメイ瓶詰機

リンサー

ラベラー


