十勝に月1くらいで通うようになって、もう2年以上になる。
帯広でダイイチに行くと、つい気になってしまうものがある。
おはぎである。
……と今では書けるのだが、このおはぎの存在を知るまでは少し時間がかかった。なぜなら、自分がダイイチに行くのはだいたい夕方、値引きが始まる時間帯が多かったからである。
その頃には、おはぎ売り場はすでにもぬけの殻。存在に気づく前に、きれいに売り切れていた。
つまり、自分の中では「ダイイチにはおはぎがある」というより、しばらくの間「ダイイチにはおはぎの気配だけがある」という状態だった。
ところが、ある日ちゃんと早めの時間に行くと、そこにしっかり並んでいた。ああ、これがあの、みんなが先に連れて帰っていたやつか、と思った。
このおはぎ、ただのスーパーのおはぎではないらしい。
宮城県の「主婦の店 さいち」の技術を学び、25年以上前から販売している手作りのおはぎとのこと。
しかも十勝産の小豆を使い、毎日店舗で手作りされているという。
地元スーパーでそこまで聞くと、もう「1回食べてみようか」が少し本気になる。
実際に食べると、これがうまい。ボリュームはちゃんとあるのに、甘すぎない。どっしりしているのに重たすぎない。

1個食べたら十分なはずなのに、気がつけば普通に2個を完食している。
なるほど、これは人気が出る。お彼岸の時期には売り切れることもあるらしいが、それも納得である。
しかも、こういう出来たて感のあるものが、ちゃんと手頃な値段で買えるのも強い。特別な和菓子店まで行かなくても、生活の延長にあるスーパーでこれが買えてしまう。
そこがダイイチのおはぎのえらいところだと思う。
帯広に通っていると、こういう「地元では当たり前に愛されているもの」に何度も出会う。
観光向けに大きく飾られているわけではない。でも、地元の人がちゃんと買っていて、ちゃんと続いている。その空気ごと味わえるのがいい。
ダイイチのおはぎは、派手な名物ではないかもしれない。でも、帯広に来たらやっぱり気になるし、結局また食べてしまう。
そういうものが、生活の強い名物なのだと思う。

