十勝に月1くらいで通うようになって、もう2年以上になる。
ここでスーパーの話をしていたとき、ダイイチやフクハラと、イオン系のザ・ビッグを買う物によって使い分けている、という話を聞いたことがある。
なるほど、と思った。
旅で立ち寄っているだけでは見えにくいが、暮らしている人にとってスーパーは、なんとなく行く場所ではなく、目的に合わせて選ぶ場所でもあるらしい。
その流れで自分は、ついこう言った。
「あそこのカツ丼、けっこう手が出るよね」
すると相手は、少しきょとんとして言った。
「そんなところまでは知らないわ」
それを聞いて、ちょっと驚いた。いや、そこ見いひんのかい、と思ったが、たぶん普通はそこまで見ないのである。
ザ・ビッグ イーストモール店の惣菜売場の話だ。元値295円のカツ丼が、40パーセント引きで177円になっていた日があった。

そこまで来ると、もう節約というより出来事である。しかもカツ丼というのがいい。安いから買うというより、見つけた瞬間に、今日はこれでええか、となる。
でも相手にとってのザ・ビッグは、そういう見方をする店ではなかったらしい。
買う物によって店を分ける。その中の一つとして行く店であって、惣菜売場の注目選手まで把握する場所ではないのである。
このズレが、妙に面白かった。
同じスーパーに行っていても、見ている景色は人によって違う。
ある人にとっては、日々の買い物をきちんと回すための店であり、ある人にとっては、売場の中の小さな当たりを見つける店でもある。
自分はたぶん、生活者の顔をしながら、ちょっと観察者としてスーパーを歩いているのだと思う。
値段も見るが、それだけでは終わらない。この店は何が強いのか、どの時間に何が動くのか、つい見てしまう。

観光地では景色を見るが、スーパーでは暮らしが見える。
そして自分は今日もまた、ザ・ビッグに行くと惣菜売場で少し立ち止まる。177円のカツ丼を見たあとでは、なおさらである。

