【北海道#16-6】骨を見て、酒を飲み、ダチョウを食べて峠を越える 北海道車中泊旅最終日

サイの骨格
なりさん

北海道車中泊旅最終日。帯広畜産大学祭で見た骨標本と学生たち、ダチョウ料理、日勝峠越え、満車トラブル。全部予定外の一日の記録。

2025年秋の北海道車中泊の旅(Part16)6日目最終日:2025/10/11

北海道・帯広畜産大学祭 「骨と酒とダチョウの朝」

6時20分、帯広駅前の駐車場で目が覚める。昨夜は繁華街の外れから5番舘のスナック人・Jinまで、帯広の夜を存分に味わった。車の中で目を覚ますと、街はまだ静かで、昨夜の賑わいが嘘のようだ。

6時40分、鳳乃舞へ向かう。40度の温泉と休憩所を行き来しながら、身体を整える。旅の朝は、こうして温泉で「リセット」する時間が何よりも贅沢だと、この歳になって気づいた。

8時5分に鳳乃舞を出て、8時半に部屋へ戻る。洗濯機を回している間、ローソンでおにぎりとコーヒーを調達。こうした日常の動作を、帯広という土地で繰り返していると、ここが「拠点」であるという感覚が、少しずつ身体に馴染んでいく。

9時50分、洗濯が終わる。9時55分、帯広畜産大学へ出発。今日は大学祭だ。

帯広畜産大学の構内に展示されている幌馬車と本館校舎

大学の敷地に入ると、さっそく目に飛び込んできたのが「エゾボネ団」の展示。サイ、キリン、馬などの骨が、ずらりと並んでいる。

「なんや、これ……本物の骨標本やん」

思わず立ち止まる。特にサイの骨格標本は、想像していたよりもはるかに大きい。

「サイがこんなデカいとは思わんかったわ」

サイの骨格
サイの骨格

展示を見ていると、学生が近づいてきて、真面目な表情で説明してくれる。

小型哺乳類エゾタヌキの全身骨格標本を展示した台座
エゾタヌキの骨格標本

「これ、僕たち学生が自分たちで組み立てたんです」

その真っ直ぐな目と言葉に、少しだけ胸が熱くなる。こういう若者たちが、動物の骨と向き合いながら、何かを学んでいるのだと思うと、大学祭という場所が、急に違って見えてくる。

外に出ると、模擬店がずらりと並んでいる。まず目についたのが、甘酒の飲み比べセット。純米、純米吟醸、木桶の三種類。

最初の一口で、純米がちょっと苦手かもしれないと思ったのだが、飲み進めていくうちに、不思議と純米の良さが分かってきた。

「あれ、最初あかんと思ったのに……なんか、クセになるな」

酒の味は、一口目だけでは語れない。そんな当たり前のことを、大学祭の屋台で再確認する。

そしてもうひとつ、気になっていたのが「ダチョウサークル」のダチョウブリトー。ダチョウの肉である。

帯広大学の学生が出店するダチョウ料理の屋台
大学祭の屋台でダチョウ肉

「ダチョウ……食うんか、ここで」

恐る恐る注文してみると、思いのほか臭みがなく、美味しい。むしろ、鶏肉よりもあっさりしていて食べやすい。

「これ、普通にうまいやん」

畜大生たちは、みんないい子たちばかりだ。こうして骨を組み立て、ダチョウを育て、大学祭で来場者に笑顔で接している。北海道の大学で、こういう若者たちが育っているのだと思うと、少しだけ未来が明るく見えてくる。

10時45分、大学を出発。

日勝峠から見下ろす秋晴れの十勝平野

11時40分、日勝峠の1合目に到着。帯広畜産大学から約1時間で、峠の入口に辿り着く計算だ。

日勝峠から見下ろす秋晴れの十勝平野は、絶景だった。

「うわ……これ、ほんまに綺麗やな」

どこまでも続く平野と、その向こうに広がる空。こういう景色を見ると、峠を越える意味が、少しだけ分かる気がする。

12時11分、1合目を降りた。約72kmで1時間25分ほどの峠越え。昨夜スナック麗で聞いた「日勝峠の霧はヤバい」という話を思い出しながら、今日が晴れていて本当に良かったと、心の底から思う。

日高山脈博物館

12時半、道の駅樹海ロード日高で休憩。さるくるで白いアイヌ模様のTシャツを購入。アンケートに答えたら、ヨーグルッペをもらった。こういう小さなサービスが、妙に嬉しい。

日高山脈の成り立ちを解説する博物館の立体地形模型展示
日高山脈の立体地形模型

12時50分、日高山脈博物館へ。入館料は200円。館内で知ったのだが、日高ヒスイとヒスイは違うらしい。同じ「ヒスイ」という名前でも、成り立ちが異なるという。

「へぇ、ヒスイにも種類があるんか」

旅をしていると、こうして知らなかったことに、ふと出会う。それが積み重なって、少しずつ世界が広がっていく。

13時7分、博物館を出発。14時10分、ローソンで休憩。

まさかの大川原パーキングが、、、

15時20分、大川原パーキングより北に3kmほど行ったモト石油でガソリンを10L給油。そして15時30分、大川原パーキングに到着するも、なんと満車。

「あ、そうか……今日、三連休の初日やったんや」

完全に失念していた。駐車場のスタッフに懇願すると、車を移動する条件でキーを預ければ停められるという。

せっかく、あれだけバッテリーのマイナス端子を外す練習を重ねてきたのに。遮光もサンシェイドもできない。しかし、ここで停められなければ、飛行機に間に合わない。

「しゃあない、次回ジャンプスタートしてもらおう」

瞬時にそう判断して、キーを渡す。旅には、こういう「割り切り」も必要なのだ。

15時50分、空港到着。16時から、いつもの充電できるカウンターで仕事。日本縦断パートナー2の初日と、橋物語を1本アップ。

新千歳空港の共有デスクに置かれたノートパソコンとバックパックの作業風景

18時20分発の予定が、1時間遅延。21時半にようやく離陸。22時、駐車場を出る。駐車場代は1万1000円のところ、KIXカードで8500円に、さらにポイントを使って5300円まで下がった。

「KIXカード、絶対いるやん」

そう呟きながら高速を走る。22時55分、帰宅。

シャワーを浴びて、ご飯を食べながら、今日一日を思い返す。

朝、鳳乃舞で整えた身体。

畜大で見た、サイの骨と、学生たちの真面目な眼差し。

ダチョウブリトーの意外な美味しさと、甘酒の飲み比べで気づいた味の奥行き。

日勝峠から見下ろした、どこまでも広がる十勝平野。

日高山脈博物館で知った、ヒスイの違い。

そして、満車の駐車場で迫られた、瞬時の判断。

「いやぁ、旅って、ほんまに毎日が違うな」

ほな、また次回。

今回の旅のまとめページ▼

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