十勝の朝風呂で聞いた話|鳳乃舞のおっちゃんと透明手袋

鳳乃舞温泉の駐車場

2026年5月26日(火)、朝5時15分起床。

前日に書いていた記事をアップしてから、6時10分に拠点の部屋を出た。外はまだ少しひんやりしている。

このシリーズのまとめページはこちらです。

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セイコーマートでホットカフェオレLを買う。170円。

音更へ向かう平原大橋を渡るころには、十勝らしい霧が立ち込めていた。

帯広市と音更市の境。平原大橋。

こういう朝の空気を見ると、「また北海道に来たな」と思う。

7時、天然温泉鳳乃舞に到着。

風呂500円。

ところが、ここで風呂セットを忘れてきたことに気づく。

受付で聞いてみると、おっちゃんが「ああ、探してみますわ」と、忘れ物のカゴを何度も持ってきてくれた。

「みなさん、山ほど忘れていくんですよ」

確かに、忘れ物カゴはかなりの量だった。

タオル、シャンプー、小さい袋、名前のない洗面道具。

旅人なのか、常連なのか、生活の断片みたいなものが積み重なっている。

結局、自分のセットは見つからず、タオルセットを追加でお願いした。340円。

風呂から上がったのは8時10分ごろ。

この日は火曜日だったせいか、7時台にしては人も少なかった。

休憩所で領収書を整理していると、さっき見かけた「椅子をカゴ代わりにしている人」の話になった。

風呂用の小物を椅子の上にまとめ、そのまま持ち歩いている。

あれは、いいアイデアなのか、それともかなりのきれい好きなのか。

そんな話をすると、受付のおっちゃんが言った。

「人の座った椅子を使うのが嫌な人もいるんでしょうね」

なるほど、と思った。

そして、その流れで自然とコロナ以降の話になった。

「潔癖症いうより、基準が変わりましたよね」

おっちゃんはそう言いながら、自分の右手にはめている透明のゴム手袋を見せた。

理由を聞くと、

「チケットを口にくわえて持ってくる人もいるから、受け取りにくいんですよ」

と笑う。

さらに、

「あと、チケット受けの箱って滑るんですわ。これ、滑り止めにもなるんですよ」

とも言っていた。

衛生対策だけではなく、仕事道具として馴染んでいる感じが、なんだか妙にリアルだった。

観光地の接客というより、毎日の仕事の延長。

十勝の温泉には、そういう生活の空気が残っている。

最後におっちゃんは、

「今日は晴れないね」

と言い残して、また受付の持ち場へ戻っていった。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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なりさん
月1で北海道に通い、車中泊で旅をしながら働いています。行き当たりばったりの旅と、小さな工夫のハックを楽しみながら、土地の歴史や人の営みをブログやKindleで記録しています。2月5日にジムニーノマドが納車され、新たな旅のカタチを模索中です。
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