2026年春の北海道車中泊の旅(Part19)初日:2026/04/06
旅の始まりは、飛行機に乗った瞬間ではない。
朝四時半に起きて風呂の湯を入れ替え、出発当日の朝までKindle本の原稿を仕上げ、帯広の部屋の鍵と車の鍵を忘れかけ、室内干しの突っ張り棒が落ちてくる。そんな生活の延長線のようなバタバタから、今回の北海道出張は始まった。
2026年4月6日。西宮から関空へ、新千歳から帯広へ。そして最後は道の駅おとふけでの居酒屋車中泊。移動日なのに、妙に中身の濃い一日だった。
出発の朝は、だいたい生活のノイズから始まる
朝四時半に起床。
風呂の湯を入れ替え、ニセコをイメージした雪代町の固定資産税をテーマにしたKindle本の原稿を仕上げる。北海道へ向かう当日の朝に、政策エンタメの原稿が完成するあたり、自分でもなかなか落ち着きがない。
しかもこういう日に限って、生活の細かいノイズが多い。
家の鍵と車の鍵を忘れかける。室内干しの突っ張り棒が落ちる。旅の始まりというより、生活の続きのまま少しだけ遠くへ伸びていく感じである。
それでも無事に家を出た。
今回はハービスからのリムジンバスではなく、阪神西宮から関西国際空港へ向かう。阪神西宮から関西国際空港のバスの便は少ないが、今回はタイミングがあった。
JR西宮駅で朝マック、この待ち時間だけの贅沢
JR西宮駅に着いたのは8時7分。
空港行きのバスまで少し時間があったので、朝マックに入った。ソーセージエッグマフィンのセット。ハッシュポテトとコーヒーがついて600円。

こういう、バスを待つあいだに食べるマックは妙にうまい。
旅先のごちそうではないし、特別な店でもないのに、移動前の少し浮いた時間に食べるだけで、ちょっとしたご褒美みたいになる。あの特別感は何なんやろ。
その一方で、自社サイトの決済まわりをAIと相談していた。
空港バスの運転手さんが、朝の人情ラジオだった
マクドを出ると、目の前がリムジンバス乗り場。
往復券は300円安くなるというので、SUICAで支払おうとしたが、現金のみということだった。片道2000円、往復だと3700百円。300円得をするだけなのに、なんとなくその300円が大事に思えてくる。
そんな話をふとチケットを売っていたおじいさんに話すと、便数の増減、ドライバー不足、ガソリン代、月曜日の乗客の傾向まで、話が止まらない。地域情報ラジオのパーソナリティみたいな調子で、バスが来るまでの空気をずっとあたためてくれる。
北海道へ行く服装の話から、なぜか82年分の人生トークへ発展し、耳が遠くなる話、夫婦の会話あるあるまで広がっていった。結論はシンプルで、「喧嘩せんのが一番、謝っとこ」である。朝から妙にいい言葉をもらった。
軍手で器用に釣り銭を扱う手元もよかった。
関空から新千歳へ、そして北海道の空気に拍子抜けする

関空の保安検査場はリニューアルされていて、見通しがよく、前よりずいぶんオープンな印象になっていた。あれはいい改装やと思う。
10時44分、Peachに搭乗。
機内ではKindle Fireにダウンロードしておいたを本を読む。こういう移動中の読書は、旅そのものとは別のレールが一本走る感じがあって好きだ。
前にいた爽やかなカップルの赤ちゃんがとてもかわいくて、その前にいたインド人の団体まで赤ちゃんに夢中になっていた。国籍が違っても、赤ちゃんの前ではだいたいみんな表情が同じになる。
13時15分、新千歳空港に到着。
札幌の空気は拍子抜けするくらいあたたかかった。
もっと身構えていたぶん、春の気配が少しだけ先に来ているように感じた。
新千歳で仕事を進め、ミルキーライナーで帯広へ

空港では電源のある場所を確保して、13時45分から仕事。ロゴまで作ったところで時間切れ。こういう作業は、進むときは一気に進むのに、移動日にはちょうど中途半端なところで終わる。
14時30分からミルキーライナーに乗って帯広へ向かう。
かなり混んでいて、なぜか年配の方が多かった。占冠サービスエリアでは、あげいもを食べる。500円。ボリュームがあって、いかにも道中の食べ物らしい満足感がある。

売店のお兄さんは元調教師で、サラブレッドに乗っていたらしい。小樽から舞鶴経由で栗東にもよく行っていたとのこと。北海道のサービスエリアで、競馬の現場の話が自然に出てくるのが面白い。
さらに、サービスエリアの15km先では車両火災があり、3時間ほど通行止めになっていたらしい。大きなトラブルを回避でき、こちらはそのまま帯広へ向かえた。
帯広の部屋に入ったら、仕事が止まらなくなった
17時10分に帯広駅に到着。ここから徒歩で15分ほど移動。2月から借りている月極駐車場に向かった。無事、エンジンも一発でかかり一安心。2月の緊迫した状況とは比べ物にならないくらいにあっけなかった。

18時10分、帯広の部屋に到着。
冷凍おこわを二個レンジで温める。本当なら少し休んですぐ出るつもりだったが、スマホ、Kindle、パソコンを充電しながら仕事を始めると、そのまま止まらなくなった。
Kindle本の編集を完了。
さらに依頼されていた経済関連の動画と記事もアップ。移動日なのに、妙に仕事が進む。旅先で集中が高まることはよくあるが、この日はそれがかなり強かった。
21時、ようやく部屋を出る。
その前に部屋を片づけ、ポータブル電源も持ち出す。移動して、仕事して、片づけて、また移動する。このへんの流れは、もう半分生活技術みたいなものだと思う。
ダイイチで買い足して、道の駅おとふけで居酒屋車中泊
ダイイチに寄ると、クラフトビールに目が留まった。

日本ハムファイターズのクラフト、サッポロの季節限定サクラビール、そしてブラックニッカハイボール。こういう地元感のある売り場を見ると、北海道に来た実感がようやく出てくる。
寒さ対策として、車内のフリース、毛布、エアマットを駐車場で準備しておく。
寝袋は持ってきていないが、今夜はこれで何とかする。道の駅おとふけへ向かい、車中泊の予定である。

晩酌の内容が、よかった。
息子が前日にダイイチで買ってくれていたウニ。半額のサラダ巻きといなり。タラの芽の天ぷら。息子自家製のスモークサーモン。そこにビールを注ぐ音が加わる。
「空と芝」というエールはフルーティーで飲みやすく、春の天ぷらによく合った。

強い眠気はない。
でも、横になりたい気分ではある。外気はひんやりしていて、車内でジャーナリングをしながら思いつきを書きながら、そのまま眠りに入った。
まとめ
移動日というのは、飛行機やバスに乗っているだけの日ではない。
朝マックの数十分にも味があるし、バスの運転手さんの人生漫談にも、その土地の空気がにじむ。空港で少し仕事を進め、帯広の部屋で仕事が加速し、最後は道の駅でビールを注ぐ音を聞きながら一日を閉じる。
観光地を一つも回っていなくても、こういう日はちゃんと旅になっている。
むしろ、生活の延長にある移動日ほど、その人の旅の癖や温度がよく出るのかもしれない。
ほな、また明日。

