「道の駅 倶利伽羅 源平の郷」でノマドワーク|火牛の計と峠のノマド時間(石川県)

道の駅倶利伽羅塾の入口にある「火牛の計」を象った黒い牛の像。角には真っ赤な炎がかたどられ、迫力のある姿で来訪者を迎える。

このシリーズのまとめ記事はこちらになります。

WILD GEESE:北海道ノマドワークの...
旅しながら働く-ノマドワーカー体験記- 車中泊ノマドワークの実践記録と工夫をまとめるカテゴリーです。 関西と北海道を行き来しながら、キャンプ場や道の駅、温泉施設、海辺や山の自然の中で実践してきたリアル...

倶利伽羅峠は、石川県と富山県の県境に位置する歴史的な峠。古代は北陸道の官道として都へ通じ、江戸時代には加賀藩の参勤交代路として整備された交通の要衝。

1183年、源義仲が平家軍を破った「倶利伽羅峠の戦い」の舞台として知られ、特に「火牛の計」という奇襲戦法が有名。

周辺には猿ヶ馬場や巴塚など、古戦場にちなんだ地名と史跡が点在し、春には約6,000本の八重桜が峠道を彩る北陸有数の桜の名所でもある。

道の駅倶利伽羅塾のエントランス。火牛の計を象った牛の像と、津幡町のご当地キャラクター「モーちゃん」「ともえちゃん」「よしなかくん」「カーくん」が並ぶ。
火牛伝説の舞台、倶利伽羅塾の入口にて。源義仲ゆかりの地をモチーフにしたキャラクターたちが迎えてくれる。

朝8時25分、牛が駆け抜けた峠に立つ

2025年8月19日、盛夏の朝。道の駅「倶利伽羅 源平の郷」に車を停めた。

道の駅倶利伽羅塾の正面入口。木造の建物に「倶利伽羅塾」と書かれた提灯が吊るされ、歴史ある雰囲気を漂わせている。
道の駅倶利伽羅塾の正面入口。のれんと提灯が迎えてくれる、峠の歴史香る休憩スポット。

石川と富山の県境。倶利伽羅峠。

ここで平安時代末期、源義仲が平家軍をぶちのめした。その方法が凄まじい。「火牛の計」。

牛の角に松明をくくりつけて、真夜中に敵陣へ突っ込ませる。牛がパニックになって暴走し、平家軍は大混乱。断崖から転落する兵士多数。義仲の圧勝。

倶利伽羅峠の戦いを描いた屏風絵「火牛の計の様子」。炎をまとった牛が坂を駆け下り、平家軍に突撃する場面が生き生きと描かれている。
源平倶利伽羅合戦図屏風より「火牛の計」。炎をまとった牛が戦況を一変させた、伝説の奇策が語り継がれている。

今、俺はその峠の麓でWi-Fiの速度を測っている。下り55Mbps、上り17Mbps。まあまあだ。

なんだか変な気分になった。

火牛の角にスマホをくくりつけたら

道の駅倶利伽羅塾のエントランスに設置された「火牛の計」の牛像。炎をまとった角を突き上げるように構える姿が迫力満点。
「火牛の計」を再現した倶利伽羅塾のシンボル像。源義仲の奇策を今に伝える、峠の守り神のような存在。

火牛のモニュメントがある。角に松明をつけた牛の像だ。迫力がある。というか、牛の目が怖い。

「源平倶利伽羅合戦図屏風」のレプリカも展示されている。牛が駆け、武者が叫び、人が崖から落ちる。すごい絵だ。

こんな戦い方を思いついた義仲は天才なのか、それとも単に無茶苦茶なだけなのか。

ふと考えた。もし義仲が現代にいたら、火牛の角にスマホをくくりつけて、リアルタイム配信とかするんだろうか。

「いま平家の陣地に突っ込みまーす!チャンネル登録よろしく!」とか言いながら。

馬鹿なことを考えながら、道の駅を出た。

峠は昔から”道”だった

この峠、ただの古戦場じゃない。古代の官道・北陸道として都へ通じる道だったし、江戸時代には加賀藩の参勤交代路だった。

つまり、ずっと”人が通る道”だったわけだ。

周辺には「猿ヶ馬場」とか「巴塚」とか、古戦場っぽい地名が残ってる。

歩いてみたい気もするけど、8月の朝から峠歩きは無謀だ。

春なら八重桜が約6,000本も咲くらしい。それは見たい。でも今は夏だ。諦めた。

道の駅の周辺は「歴史国道」として約12.8kmの歩道が整備されている。

歴史散策と自然観賞を同時に楽しめるというやつだ。いいコンセプトだと思う。でも今日は先を急ぐ。

峠の道の駅でノマドワーク

この道の駅、ただの休憩所じゃない。歴史資料館、直売所、レストラン、入浴・宿泊施設まである。

つまり、ここで1日過ごせる。いや、泊まれる。それはすごい。

売店ラウンジで少しだけノマドタイム。Wi-Fiもあるし、仕事もできる。峠で仕事。なんだか不思議だ。

しかも、通信速度を測ってみると、下り55Mbps、上り17Mbps。

動画編集のような重たい作業でなければ、メール返信、ブログの下書き、写真整理、次の移動ルートの確認くらいは十分できそうだった。

思えば、倶利伽羅峠は昔から人が行き交う道だった。武士が越え、旅人が越え、荷物が越えた峠で、今はノートパソコンを開いて仕事をしている。

火牛の計の舞台で、Wi-Fiの速度を測る。

この落差が、ちょっとおもしろい。

ノマドワークというと、海辺のカフェやコワーキングスペースを想像しがちだけれど、実際にはこういう道の駅での短い作業時間がありがたい。

移動の途中で車を停め、トイレを済ませ、飲み物を買い、ラウンジで少しだけ頭を整える。

長時間こもって働く場所というより、旅の途中で作業を区切る場所。

道の駅 倶利伽羅 源平の郷は、歴史を学べるだけでなく、旅人が次の移動に向けて仕事と気持ちを整える場所でもあった。

道の駅倶利伽羅塾の館内ラウンジ。木の囲炉裏テーブルを囲み、ひょうたんのオブジェと地元の絵手紙が飾られた温もりある空間。
倶利伽羅塾の館内休憩所。囲炉裏風テーブルと地元の作品が旅人を迎える、ほっと一息つける憩いの場。

金沢・能登・富山への結節点に位置しているから、旅程にも組み込みやすい。

“学べる道の駅”として機能している、と案内板に書いてあった。

学べる道の駅。いい言葉だ。道の駅も進化している。昔は「トイレと自販機」だったのに、今は「歴史も学べて泊まれる」。時代は変わった。

峠を越えて、また旅は続く

峠を越える。石川から富山へ。県境を越えるって、なんだかいつも特別な気がする。

地図の線を越える感じ。目には見えないけど、確かに何かが変わる。

義仲も、参勤交代の武士たちも、この峠を越えた。そして俺たちも越える。

歴史は続いている。道も続いている。旅も続いている。

次は富山だ。白えび丼を食いに行く。

道の駅「倶利伽羅 源平の郷」基本情報

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項目内容
名称道の駅 倶利伽羅 源平の郷(くりから げんぺいのさと)
所在地石川県河北郡津幡町竹橋西239-14(〒929-0426)
アクセスIRいしかわ鉄道 倶利伽羅駅・あいの風とやま鉄道 石動駅から車約5分
駐車場大型5台、普通車62台(身障者用4台)
営業時間9:30~18:30(施設により異なる)
主な施設歴史資料館、直売所、レストラン、
入浴・宿泊施設、観光案内、EV充電、Wi-Fi
見どころ火牛の計モニュメント、源平倶利伽羅合戦図屏風レプリカ、
歴史国道(約12.8km)、八重桜(約6,000本・春)
公式サイトhttps://kurikara.org

訪問日:2025年8月19日(月

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なりさん
月1で北海道に通い、車中泊で旅をしながら働いています。行き当たりばったりの旅と、小さな工夫のハックを楽しみながら、土地の歴史や人の営みをブログやKindleで記録しています。2月5日にジムニーノマドが納車され、新たな旅のカタチを模索中です。
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